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木管楽器って何だろう? 吹奏楽やオーケストラで使用される木管楽器について
アンサンブルの掟 アンサンブルしたい人はぜひ一読を
木管楽器の曲集、練習曲、教則本など 楽しい曲集で、パワーアップしましょう。
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木管楽器のよいところを生かそう!
曲を演奏する前に、皆さんはCDなどの原曲を研究すると思います。
一般的には、木管楽器だけで演奏される曲はあまりありませんから、原曲のピアノ演奏や オーケストラ演奏を参考にされるでしょう。
プロの演奏ですから、当然上手ですし、大変参考になるでしょう。
ここで注意してほしいのは、その演奏を参考にしすぎないことです。
たとえば原曲のメロディがバイオリンであってもバイオリンの音色や奏法をそっくり真似したのではダメ。
皆さんの吹く楽器がサックスならば音色や吹き方もサックスらしく、オーボエならばオーボエらしく、 その楽器のよいところがよく出る吹き方をしましょう。
曲の始めは・・・
当然のことですが、アンサンブルの場合オーケストラのように指揮者がいません。
誰かのソロで始まる曲は、ソリストの独断ではじめればよいのですが、 サン、ハイッで全員が始まる曲がほとんどです。
始まりの合図は、リーダー格の人が楽器を振ったりして合図することが多いようですが、 これではアンサンブルの醍醐味は味わえません。
オーケストラでは指揮者が絶対的権限を握っていますが、アンサンブルの場合、 指揮者がいないということは、ステージに乗っている奏者全員が、 同じ権限をもっているということです。
ではどうすればよいのでしょうか?・・・・
子供のころよくやりませんでしたか?そう「ジャンケンポン」です。
参加する全員が手を振って、「ポン」で「グーチョキパー」を出しますよね。
あの要領で全員が楽器を振って、「ポン」で曲が始まるようにすれば、曲の始まりがカッコよく決まります。
うまく聞かせるコツ
楽譜に「f」って書いてあるから大きな音で吹く、「p」ってかいてあるから小さな音で吹くんだって、それはそうですが...
大きな編成の楽団だったらそれでいいかもしれませんが、アンサンブルでは、 一人ひとりの音がはっきり主張しないと、生きいきとした演奏に聞こえません。
一般に、メロディは楽譜の強弱記号より大きめの音で、はっきりと吹きましょう。また、伴奏の音は少し控えめに吹くと効果的です。
あと、曲によって4小節目、8小節目、16小節目など、節目の小節に装飾系のフレーズ (「オカズ」と言ったりします)のある曲がありますが、 これをはっきり目立たせて吹くと、メリハリのついた演奏になります。
それから、曲の途中でいきなり転調するところでは、「ここで転調したぞ」ということが聞いている人にはっきりわかるように、少し強めに演奏します。
次の方、ハイどうぞ
自分の主旋律が終わってやれやれほっと一息、あとは違う人の番だから知らないよ。では、 次の主旋律の人もうまくメロディがはじめられません。
メロディの引継ぎは「リレー競争」の「バトン」と同じです。
次の人に受け渡し終わるまでが、自分の責任と考え、自分のメロディの終わるところでは、 次の人がうまくメロディを受け取れるように意識して演奏しましょう。
曲の終わりはカッコよく
演奏が終わりに近付いて、あー難しい所も間違わずに無事に終わってよかったなー、 と気が抜けてしまって、曲の終わりがバラバラではせっかくのよい演奏も台無しです。
また、曲の途中で大事な所を間違ってしまい、ふて腐れたり、トボトボ舞台から去って行くのは厳禁です。
途中少しぐらいミスっても、曲の終わりがピシッと決まって、 ニッコリ満足げな顔をしてお客さんにお辞儀をすれば、お客さんはそれだけでよい演奏だったなと思うものです。
曲の終わりはカッコよく決めましょう!
アレンジしてみよう
「演奏したい曲が出版されていない」「編曲が難しすぎる」「自分たちの編成に合う曲がない」 などの理由で、アンサンブルするのをためらっていませんか?
楽譜がなければ、自分たちで楽譜を作ってしまえばよいのです。
アンサンブルなら、パートも少ないし初心者でも難しくありません。
難しかったら最初は、フルートの楽譜をサックス向けに書き直す(移調)などからはじめてもいいですし、 どんどん楽譜を作って、仲間に演奏してもらいましょう。
仲間うちで使うだけなら、どんな曲でも編曲できます。(有料コンサートで演奏するには編曲許可申請とか、著作権使用料とかいろいろ難しい問題がありますが・・・)
移調にチャレンジ!
アンサンブルをしようと仲間を集めてみたけれど、集まったメンバーが持ってる楽器にあった楽譜がない!
といった悩みは、どこのアンサンブルチームでも経験することでしょう。
そこで、簡単にできる移調方法を紹介します。それぞれこの逆も可能ですので、ぜひお試しあれ。

1)ファゴットの楽譜(ヘ音記号)をバリトンサックスに。
これは良く知られた方法です。バリトンサックス奏者の中には、ヘ音記号をそのまま読んじゃう人もいます。(逆もできますね!)
ファゴットの楽譜のヘ音記号をト音記号に変えて、♯を3つ増やす(♭の場合は3つ減らす))だけで、 音符の位置が全く変わらずにバリトンサックスの楽譜ができあがりです。
ただし、臨時記号が出てくる場合は、元の音が、半音上がるのか下がるのかを良く考えて付け直す必要があります。

2)ファゴットの楽譜(ハ音記号)をテナーサックス(バスクラリネット)に。
吹奏楽出身の人はハ音記号(アルファベットのBみたいな記号)は、あまりみたことがない人もいるかもしれませんが、 オーケストラでは、ファゴットやトロンボーン、チェロでごく普通に使われます。これも、上の例と同じように、 ハ音記号をト音記号に付け替えて、♯を2つ増やす(♭は減らす)だけで、テナーサックスの楽譜に 変えることができます。(この方法は、バスクラリネットでも使えます。)
臨時記号がある場合は、譜例1と同じように付け替える必要があります。

3)フルートの楽譜を、E♭(エス)クラリネットで。
これは、ちょっと強引なやり方ですが、以前、E♭クラリネット奏者だった私が良く使った方法です。(E♭クラが編成にない吹奏楽譜もあるからね。)
まず、フルートの楽譜の(1)上第1加線(ラのところ)に線を引いてしまいます。そして(2)第1線(5線の一番下)を修正液で消してしまいます。
あとは、譜例1と同じように、♯を3つ増やす(♭は減らす)、臨時記号を付け替える、これでできあがりです。


著作権について....
楽譜やCDのコピーはいけないよ!という話ではありません。 編曲するためにJASRACのホームページを 見ていると面白いことに気が付きます。
てっきりクラシックと思っていた曲がまだ著作権が切れていなかったり、 たとえば「剣の舞」で有名なハチャトゥリアンは1978年没、「かっこうワルツ」の作曲者ヤナーソンは1956年没(※)、 「ペルシャの市場にて」のケテルビーは1959年没、いずれも著作権は失効していません。
また逆に、ポップスでよく演奏されるので最近の人かと思っていたスコット・ジョプリン (「エンターティナー」の作曲者)は1917年没で著作権は、とうに失効しています。
そのほか、みんな知っている童謡「ぞうさん」の作曲者が、あの團伊玖磨さんだったり、 NHK「今日の料理」のテーマ(シロホンとマリンバの軽快な曲)の作曲者が シンセサイザー奏者の冨田勲さんだったり...見ていて飽きません。一度のぞいてみては?

※注)この記事は1999年に執筆したものです。ヤナーソンの著作権は2006年で失効しています。

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